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琴棋書画。


琴棋書画。 文人の楽しみ。 教養や風雅を身につけた文化人の風流な遊び。 また、そのたしなみ。 琴を弾き、碁を打ち、書を書き、絵を描くこと。
by zouchan-land
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『凄い (すごい)』『頗る (すこぶる)』『すごろく』『すげー』の語源についての考察。

『お絵かきすと』であるリア友に
当ブログを見てもらったところ、
 『見ました~!
  すごいね』
という感想LINEを承りました。
考察 (カテゴリ:韓国語。)の方でも、
 『すごい』
と言われるように、
成長を目指そうと思います。

と、言う訳で、
今回は『すごい』の語源についての考察。

この『すごい』という言葉は、
語学マニアの間で、よく話題に挙がる。
語学マニアでない人は
気にもとめないところなのだが、
某先生がおっしゃっていた例文を挙げてみる。

 〇 早く (連用形)、食べる。
 × 早い (連体形)、食べる。

であるのに、

 〇 すごく (連用形)、食べる。
 ※ すごい (連体形)、食べる。

となり、『すごい (連体形)』が
連用形として使われるのを
認めている辞典があるとの事。
一度、『×』をつけた後、
『※』に変化させるセンスの良さに
感銘を受けた。

早くも大混乱の予感がある『すごい』なのだが、
その意味は? というと、

 ① ぞっとするほど恐ろしい。
   非常に気味が悪い。
 ② びっくりするほど程度がはなはだしい。
   並外れている。 大層な。
    (デジタル大辞泉より)

と、なっている。
意味①に馴染みがない人もいると思う。
たとえば、接頭語 (接頭辞) の『もの』をつけてみると、
『ものすごい』となる。
 『ものすごい顔をした人が、こっちに向かって来た。』
という文章を読んで、
どんな顔・表情を想像しただろうか?
また、漢字表記にすると『凄い』となる。
さらに、『凄い』と『淒い』があるのだが、
論点がズレるので、『凄い (にすい)』で統一する。

さて、意味①と意味②、
同音異義語かと思う程の違いである。
なので、仮定の話となるが、

 『凄い』・・・・・ぞっとするほど恐ろしい。
          非常に気味が悪い。
 『すごい (仮)』・・びっくりするほど程度がはなはだしい。
          並外れている。 大層な。

として、一時保留とする。

焦点を、形容詞から副詞に移してみる。
副詞で、『頗る (すこぶる)』という言葉がある。
その意味は、

 ① 程度がはなはだしいさま。
   非常に。 たいそう。
 ② 少し。 いささか。
    (デジタル大辞泉より)

となるのだけども、
意味①は、まるで、
『すごい (仮)』を副詞化したかのようだ。
さらに、意味①と意味②が
まったく違う意味になってしまっている。
どちらが本来の
『頗る (すこぶる)』の意味なのかを
考えなければならない。
まずは、『頗』という漢字の意味を考えてみる。
『頗』の意味は、

 ① かたよる。 公平でない。
 ② すこぶる。 たいそう。

であり、漢字の成り立ちは、

 「頗」は、
 「波みたいに揺れている様子」を表す「皮」
  +「人間の頭を強調した様子」を表す「貢」
 で成り立っています。
 「頗」は「頭が揺れ動いていること」から
 「かたむいていること」を
 意味するようになりました。

との事だが、私の解釈はちょっこし違う。
『貢 (漢字の右半分)』は、
『人間の頭を強調した様子』なのだから、
『人間の思考・感情』を表しているのだと思う。
また、弓矢や罠などが発達する以前、
人間は集団で狩りをしていた。
狩った獲物を分配する時、
狩りをしてお腹が空いているのに、
皮だけもらった人は、どう思っただろうか?
 『不公平 (=公平でない)。』
だと、思ったのではないだろうか?
そう考えると、
『頗』の字は、皮を口元に運び、
悲しそうな顔をしている人に見えてくる。
つまり、成り立ちの順序が逆で、
 『頗』=『公平でない』
という意味から、
 『頗』=『かたよる』
の意味も持つようになったのだと思う。

話を『頗る (すこぶる)』に戻そう。
 『すこぶる』=『少し・いささか』
という日本語があり、
お肉が少ししかついていない皮しか
もらえなかった様子から、
『頗』という漢字が当てられたのだとする。
そして、今回も仮定の話として、

 『頗る』・・・・・・少し。 いささか。
 『すこぶる (仮)』・・程度がはなはだしいさま。
           非常に。 たいそう。

として、一時保留とする。

ここで、ふりだしに戻る。
 『すごい (仮)』・・びっくりするほど程度がはなはだしい。
          並外れている。 大層な。
は、どのような時に使う言葉だろうか?

たとえば、絵を観て、
 『すごい』
と思う時がある。
また、考察などを読んで、
 『すごい』
と思う時もある。

これらは、内面的な意味として、
 『この画力になるまで、苦労したんだろうな』
とか、
 『考証に、手間をかけたんだろうな』
みたいな意味が含まれていると思う。
 『すごい』
と思った人が、
そこまで意識した・していない
は、別の話としてなのだけども。

ここで、『苦労』・『手間』を韓国語にしてみる。

 『苦労・手間』=『수고 (スゴ)』

となる。
この『수고 (スゴ)』なのだが、
 『수고 (スゴ)』=『お疲れ(挨拶的な意味)』
と、訳される事もある。
丁寧な言い回しにすると、
 『수고하셨습니다 (スゴハショッスムニダ)』
となるのだが、本来『수고 (スゴ)』は、
目上の人が、下の人に使う言葉である。
丁寧な言い回しにしても、
目上の人に使わない方が良い言葉だ。
以上の事と、言葉の意味から考えて、
 『수고 (スゴ)』=『ご苦労 (挨拶的な意味)』
 『수고하셨습니다』=『ご苦労様でした』
だったのではないだろうかと思う。
ただ、日本では退勤時、
『おつかれ~』と言う事はあっても、
『ごくろう~』とは聞いた事がない。
それで、翻訳家の先生方は、
 『수고 (スゴ)』=『お疲れ (挨拶的な意味)』
と、訳すのだと思う。

歴史上、日本に移住した朝鮮半島出身者は多かったが、
朝鮮半島から日本に来た人々が、
苦労・手間を感じ取れる
出来事・作品などに出会った時、
 『수고 (スゴ)』
と表現したのだと思う。
それが、いつしか、
 『수고 (スゴ)』=『すご』
となり、賞賛を含んだ言葉になったのだと思う。
そして、
『凄い』を、
 『수고 い』=『すごい (仮)』
『頗る』を、
 『수고 ぶる』=『すこぶる (仮)』
だと思った人々が広めた意味により、
 『凄い』・『頗る』
の意味が拡張されていったのだと思う。
さらには、『頗』の意味までも
拡張されたのだと思う。

また、『すごろく (双六・絵双六)』は、
六面のサイコロを使う。
そして、『ふりだしに戻る』というマスのため、
苦労してゴールを目指すゲームとなってしまったので、
『수고 六』なのではないかと思う。
漢字については、中国の『双六 (スグロク)』
というゲームから漢字をもらったのだと思う。
しかし、中国の『双六 (スグロク)』は、
バックギャモンと同じルーツを持つ、
まったく別物のゲームである。
だけども、発音が似ていて、『六』が共通するため、
『双六』の漢字も違和感なく馴染んだのだと思う。

ところで『すご』は、その後どうなったのだろうか?
たとえば、すごい絵描きの事を、
 『すご絵師』
と称したりする。
また、その技巧を、
 『すご技』
と称したりもする。
こんな感じで、接頭語 (接頭辞)のように
現代日本でも使われる事がある。
また、
 『すげー』・『すげぇー』
というように、
感嘆詞のようにも進化したと思われる。

ここで、再度ふりだしに戻ってみる。

 『見ました~!
  すごいね』

という感想LINEを、ちょっこし替えてみる。

 『見ました~!
  ご苦労様 (お疲れ様)』

なんとなく、
同じ意味に思えるようになってしまった。


全文を読んで下さった方が、
万が一いらっしゃったら、
その方に向けて、ひとこと。

 『すごいです。』

by zouchan-land | 2023-07-07 12:42 | 韓国語 (語源の考察など)。 | Comments(0)
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